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ニュースで悪者にされているUBER EATS
最近ではニュースで取り上げれることも多くなってきたUBER EATS。
みなさんも利用したことが一度はあるのではないでしょうか?
僕も配達先で高齢のお客さんに当たることもよくあります。
「アプリの使い方がわからない」と何度か言われることがありましたが、若い人だけではなくて、幅広い世代に利用されている証拠ですね。
その中でもワイドショーでよくネタにされるのが、「配達員のマナーの悪さ」ですよね。
僕たち配達員からすれば悪者にされることは悲しいことです。
とはいえ、実際に配達をしている側から見ても「マナー悪いなー」と感じる配達員は多いです。
しかも、哀しいことにマナーの悪い配達員は増加傾向にあります。
例を上げると
- つけ麺事件
- 高速道路侵入事件
- 当て逃げ事件
など、常識では考えられない事件がありました。
一体なぜ、マナーの悪い配達員が増加しているのか?
その理由について現役配達員が解説します。

自由に働けるギグワークという働き方

みなさんはギグワークという言葉を聞いたことがあるでしょうか?_
比較的新しい言葉なので初めて聞く人もいるかもしれません。
ギグワークというのは「組織に属さず、単発の仕事を好きな時間だけ働く」というものです。
日雇い労働に近い感じですが、 短い時間でも大丈夫というのがポイントですね。
好きな時に好きなだけ働くというのはある意味で理想の仕事だと感じる人もいるのではないでしょうか?
最近だと、ベビーシッターや家事代行などでギグワークのサービスが広がっています
ITの進歩により、情報のやり取りが簡単になったために、このような働きかたが可能となりました。
UBER E A T Sもこのギグワークの一つになります。
UBER EATSはスマホのアプリを起動している間だけ注文が入るので、働きたい時にスマホアプリを起動して、仕事をやめたくなればスマホアプリをオフにすればいいだけです。
とても気軽にできのが魅力です。
ただ、気軽にできるという反面で、会社等の組織で働くことが苦手な人に好まれやすい仕事だともいえます。
教育に力を入れてる大きな会社に比べると、社会でのはぐれものが集まりやすい仕事であるという特徴があります。

登録するだけで誰でも働ける。

UBER EATSは登録が非常に簡単です。
UBER EATSのサイトから申し込みをし、身分証明書と顔写真を用意して、登録をする。
それだけでOKです。
国籍や経歴などは一切関係なく、身分さえ証明できれば働くことができます。
そんな仕事ってありますか?
普通の会社というのは、履歴書を用意したり、面接をすることで働く人がどんな人なのか?
この人とうまくやっていけるだろうか?
以前に、配達した先では「外国人の配達員が近くまできたが、配達せずに帰ってしまった」という話を聞かされたことがあります。
ということを考えた上で採用するのですから、人間性などは関係なく働けるということです。
当然外国人の配達員も多いです。
言葉の壁などが理由で配達を一方的にキャンセルされることもあるようですね。
研修が存在しない。

UBER EATSでは配達員を育てるような研修は存在しません。
全ては配達員の判断に任せられています。
もちろん、警察などから指導がされた時には最低限の通知はしているみたいです。
以前、「交通マナーを守ろう」というようなメールが来ていたので、1週間ほど経ってから見てみました。
YOUTUBEの動画だったのですが、出演していたのはなんとあのももいろクローバーZです。
ももクロが交通マナーについて解説をする、というそこそこお金がかかっていそうな内容でしたが、再生回数はなんと約400回・・・
ももクロが出演している動画が400回しか再生されないという現実を知り悲しい気持ちになりました。
ほとんどの配達員は交通マナーに興味はないんだとこの時に感じました。
評価制度が機能していない。

UBER EATSにも評価制度が存在しています。
商品を注文した人や、料理を作ったレストランが配達員を評価することができます。
しかし、配達員のマナー向上に対して全く機能していないのが現状です。
なぜかというと、高評価を維持したところでメリットがほとんどないからです。
以前はゴールドパートナーという仕組みがあったので、高評価98%を維持することでUBER EATSで使える10000円のクーポンをもらうことができました。
このクーポンをもらうためにゴールドパートナーを目指していた人もいるでしょうし、ゴールドパートナーは優秀な配達員の証でした。
しかし現在では、このゴールドパートナーは廃止されました。
現在もUBER EATS PROという制度ができましたが、配達員としてメリットのない制度となりました。
また、高評価だからといって優先的に配達件数を回してもらえるわけでもありません。
僕は、最低でも98%、最高で100%の評価を維持していますが、稼げない時は10時間働いて時給370円の時もありました。
意味のない評価制度のために、高評価を維持する人はいないのが現状です。

報酬の仕組みが効率重視

UBER EATSはやり方さえ覚えてしまえばそれなりに稼げる仕事です。
梅雨や猛暑の時なんかは、時給2000円以上、1週間で10万円は当たり前。
達人レベルになると、月収50万円以上というのも嘘ではありません。
ただ、稼ぐためには効率を最大限まで上げる必要があります。
慣れてくると1時間で4~5件いけるようになります。
1時間で4件行くと考えるなら、配達1件あたりにかかる時間は15分
1時間で5件行くなら、1件あたりの時間は12分になります。
UBER EATSで稼ぐためには1分の時間を短くすることがどれだけ大切かがわかるでしょう。
この1分を短くするためには、とにかく高速で移動する必要があります。
スピード違反、逆走、信号無視、無理な車線変更をすることでちょっとでも配達を早くしようとする配達員が多くなるのは当然です。
また、UBER EATSではクエストというボーナスのようなものがあります。
これは90回の配達完了で20000円のボーナス追加というような仕組みです。
最近では、このクエストをいかに早く終わらせるかが時給を高くするポイントになっているので、報酬の仕組みも配達の高速化に拍車をかけています。

責任の所在が曖昧

もし、UBER EATSで配達の時に何かトラブルがあった場合には誰が責任を取るのでしょうか?
実は、UBER EATSはトラブルが起きた時の責任を誰が取るかという仕組みが巧妙に作られていて、よくできているなと感心したことがあります。
もし、配達した商品のスープがこぼれていた場合。
A店が直接届ける宅配であれば、すぐに謝罪して返金か、再度配達するかの対応を取ると思います。
配達しているお店と、配達員が同じ会社に所属しているので、悪いのはA店になります。
では、 UBER EATSの場合はどうなるか?
レストランA店の言い分
「配達した人が下手くそだったから、こぼれたに違いない。責任は配達員」
配達員B君の言い分
「レストランの容器が安物だから、こぼれたに違いない。責任はレストラン」
UBER EATSの言い分
「うちのサービスを使ったわけだから返金はする。
でも、仲介をしているだけだから、配達のトラブルには関係ない。」
これが、UBER EATSのロジックになります。
配達で届けられた商品対する返金は行うが、その他のトラブルに関しての責任はない。
というスタンスを貫いています。
つけ麺事件のような、商品に関するトラブルの場合は返金には応じてくれますが、当て逃げ事件のような、商品に直接関係のない事件には決して介入しません。
責任の所在が曖昧なことで、誰が悪いのかをわかりづらくしています。
この仕組みに関しては素直に「すごいなー」と感心してしまいました。

新人優先配車なるものが存在する?

最後にあくまで一つの噂に過ぎませんが、UBER EATSは配達を振り分ける時に新人を優先しているのではないかと言われています。
UBERのアプリがどのように配達員に配達を振り分けているのかは完全にUBER EATSだけが知っているブラックボックスです。
この、配車の仕組みさえわかれば、配達員の稼ぎは増えるので、日々至る所でU B E R E A T Sの配車に関する議論が繰り広げられています。
その中でも、おそらく存在すると言われているものが「新人優先配車」です。
登録して間もない配達員には優先的に振り分けている。
そんな可能性があるわけですね。
新人配達員側からすれば、多くの配達を振り分けてもらえるのは嬉しいことだと思います。
しかし、お客さんの立場からすればどうでしょうか?
新人であるということはそれだけ、配達に慣れていないということです。
もし、配達員を選択できるとすれば、5000回配達をしている人と、10回しか配達していない人のどちらを選ぶでしょうか?
ほとんどの人は5000回の配達員を選ぶのではないでしょうか?
ベテランの配達員はこんなことを考えながら配達をしています。
「こっちのルートは時間がかかるから、あっちの方が速いな。」
「寿司は崩れやすいから、慎重に配達しないとな」
「地図アプリがおかしいから、すぐに連絡しないとな」
慣れている分、配達も早いですし、商品も丁寧に扱ってくれます。
トラブルがあったときの対応も早いです。
ですが、新人の場合はこれらの状況に対応することはできないでしょう。
新人優先配車はお客さんからは全くメリットがありません。
もし、新人優先配車なるものがあるのなら、サービスの質は低下してしまいます。
【仮説】UBERは配達の完全A I化を想定しているのではないか?

ここまで、配達員のマナーの悪さに関して解説してきました。
ここからは僕のUBERの思惑に対する仮説です。
今までの配達員のマナーの悪さに対しての対応を考えると、配達員、レストラン、お客さんに対してかなりドライな対応であるように感じます。
その理由としては、元々がUBER EATS自体が配達のA I化を想定して作られたサービスなのではないか?
と考えるようになりました。
今は5G通信の話をよく耳にするようになりましたが、今後自動運転や宅配ドローンなどの実用化に向けて各国の企業が切磋琢磨しています。
その中でUBER EATSは完全A I でのTaxiや宅配を想定しているのではないでしょうか?
そうすると、これだけドライな対応に対しても腑に落ちます。
もし、A Iが食べ物を運んできた場合には、商品が崩れることもあるでしょう。
かといって、レストランに責任はありませんし、ロボットにも責任はありません。
UBER EATSの商品が崩れていた場合には返金はする。
という対応はあたかもロボットが商品を運んできたときのような対応に感じます。
現在では、最もコストが安く正確に配達をしているのが人間だから、人間を使っているだけ。
そのような気がするのです。
今後、A I の進歩が進めばU B E R E A T Sは配達員すらもいないサービスになるのかもしれませんね。
まとめ
僕がUBERの配達をしていく中で感じた、配達員のマナーが悪い理由について書いてみました。
配達員のマナーが悪いということで、ニュースに取り上げられるのは配達員としてとても悲しいことです。
ですが、UBER EATSという仕組みが配達員のマナー向上を目的としていないため今後も改善されることはないと思っています。
U B E R E A T Sのサービス自体は素晴らしいものだと思っていますが、サービスを利用する側としても、このようなサービスなんだと認識して利用することをお勧めします。
