オンラインレクリエーションとは?
元介護福祉士プログラマーのたこにゃんです。
コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えているかと思います。そんな中で注目を浴びているのがオンライン飲み会やオンライン会議などですね。
比較的アナログな業界である介護はオンラインとは無縁かと思いきや、介護業界でも「オンラインレクリエーション」というワードが注目を集めているみたいです。
実は、オンラインレクリエーションは僕が数年前から目をつけていたジャンルでして、コロナの影響でバレてしまったな、と残念に思っています。
今後、コロナウイルスが収まったとしてもオンラインレクリエーションは需要が見込めるので今回はオンラインレクリエーションに関して解説してみたいと思います。
なぜ今、オンラインレクリエーションが必要なのか?

さて、レクリエーションというのはリハビリ的な運動や、心のリフレッシュをするために参加者に楽しみながら活動してもらうことで、心身への負担減らそうということが目的になります。
ですので、活動の内容よりは「どのように楽しんでもらうか?」が大きなポイントだったりします。
楽しくないレクリエーションはただのリハビリやご近所付き合いですからね。
それでは意味がないのです。
しかしながら、現在の介護施設では参加者が心から楽しいと思えるような質の高いレクリエーションを行えていないのが現状です。
では、なぜ質の高いレクリエーションを提供できないのでしょうか?
介護職員の慢性的な人手不足

2040年問題というものがあります。それは日本の65歳以上の人口が4000万人以上に成るという問題です。それだけ日本の高齢化は急速に進んでいます。
しかし、その一方で介護職員が増えているのかというとそんなことはありません。
介護の仕事は他の業界よりも収入が低いと言われており、人が集まりにくい状況です。
また、介護業界での経営に置いて、人件費がコストの大半を占めていることから経営的な理由から人件費を削るケースも多く、少ない人数で運営しているということも決して少なくありません。
そんな職員不足の中でも、介護施設ではレクリエーションを行わないと介護保険を請求できなくなってしまうために、介護施設ではなんでもいいのでとにかくレクリエーションを行っているのが現状です。
専門性を高めることで質の高いレクリエーションを提供できる。

介護職員はレクリエーションの専門家ではありません。介護職員の業務の幅はとても広いため、レクリエーションはあくまで業務の一部となります。
各利用者の介助をしながら、食事の準備をしたり、お風呂に入れたり、話を聞いたりと介護の仕事というのはやることがたくさんあります。また、医療的な知識、家事の知識、介護保険の知識と勉強する幅もかなり広いために、レクリエーションの知識というのは後回しになることも当然です。
スポーツジムのインストラクターのような、レクリエーションの指導に特化した介護職員というのは珍しいでしょう。
そこで、専門家にオンラインでのレクリエーションを行ってもらうことで、介護職員ではできない専門性の高いレクリエーションを行うことが可能になります。
複数の事業所を同時に行うことも可能になる

前述した「専門家にレクリエーションを行ってもらう」というのは実は現場ではすでに行われています。音楽療法としてピアノの先生に来てもらいと一緒に歌を歌ったり、機能訓練士と一緒にリハビリ体操を行うということを取り入れる施設は多いでしょう。
ただ、実際に人が移動して施設に行かないとレクリエーションが行わないと行けないために、その頻度はあまり多くありません。
オンラインで行う最大のメリットは移動をせずとも、現場とつながることができることです。
13:30にはA施設、14:00にはB施設、14:30にはC施設というように短いスパンで複数の施設で行うことも可能です。
また、現場での介護職員の協力もあれば、A施設とB施設のレクリエーションを同時に行う事もできるでしょう。
施設同士での対戦形式でのレクリエーションなどにすれば、利用者同士の絆も深まり、レクリエーションがさらに盛り上がることも考えられます。
オンラインレクリエーションのメリット

オンラインレクリエーションのメリットは既に書いていますがまとめると
- 専門家に任せることができる
- 一人でも複数の施設を担当することができる
- 介護職員の不足を補うことができる
ということです。
移動の必要がないので、一人のスタッフが複数の施設でレクリエーションを行うことができます。
レクリエーションは進行役の話術で盛り上げる部分もありますので、真面目に介護の仕事に取り組んでいる人でもレクリエーションは苦手という人は少なくありません。
今後は質の高いレクリエーションを行うための方法として、オンラインレクリエーションを取り入れる施設は多くなっていくと思います。
オンラインレクリエーションのデメリット

オンラインレクリエーションはPCを使いながら行うために機材面でのトラブルが大きなデメリットとして挙げられます。
- 機材の準備に導入コストがかかる
- PCに関する最低限の知識が必要になる
- 機材トラブルの可能性がある
- 進行役が現場の空気をつかめない可能性がある
オンラインでのレクリエーションを考えるときに心配なのは主にパソコンに関する知識でしょう。
オンラインレクリエーションを行うために必要な機材を揃えることも大切ですし、アプリを起動するために簡単な操作を行う必要があります。
また、PCを使っているときは突然動かなくなってしまうこともありえますので、そういったことに対処できる職員が必要になります。
若いスタッフであればパソコンの扱いになれているため、対応もそこまでむずかしくないとは思いますが、介護の現場では40代~50代が中心の施設も少なくありません。
それらのスタッフで対応できるかどうかが鍵になってきます。
また、レクリエーションの進行役の人は施設に行くわけではないので、現場での雰囲気がつかめない可能性があります。
オンラインでのレクリエーションとはいえ、施設側で協力するスタッフは必要不可欠で配信側と施設側でうまく連携していくことが重要になってくるでしょう。